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『踊る。秋田』vol.9

国際ダンスフェスティバル
『踊る。秋田』Vol.9

2025年2月8日(土)、9日(日)アートボックス卸町にて開催!


例年10月に開催されてきた国際ダンスフェスティバル『踊る。秋田』は、今年度より開催時期を2月に改めて開催されます。10月は世界各地で国際ダンスフェスティバルが開催されており、出演ダンサーや海外ゲストのスケジュール調整がとても難しくなっていることから、今年度より開催時期を厳寒の2月に改めて開催されることとなりました。
海外から参加するダンサーやゲストは、みな秋田の美しい雪景色に心を打たれ、子供のようにはしゃいで雪と戯れます。そんな彼等と共に、厳寒の秋田は熱く燃え上がります。

●プログラムA

Asia Festival Exchange 第1組
2025年2月8日(土)18:00〜開場、19:00〜開演(終演予定)20:10
於/アートボックス卸町


Are You Guilty?(韓国)

カンパニー名/TOB GROUP
振付/Kim Min
出演/Kim Min, Lee Madrid, Lee Changmin

この作品は「テアトルダンス」と呼ばれるスタイルの作品で、まるで演劇のように展開される。演劇ファンの方ならご記憶かもしれない、つかこうへい作の『熱海殺人事件』を彷彿とさせるようなこの作品は、容疑者と刑事の関係が目まぐるしく入り替わり、誰が容疑者で誰が刑事なのかが分からなくなってしまう。さて、本当の容疑者は誰なのだろう?


Phuying(ラオス)

カンパニー名/Fanglao Dance Company
振付/Noutnapha Soydala
出演/Noutnapha Soydala、Silibangone Vongsa、Pavina Vilaphun、Vanthiva Xayxana

ラオスはかつてフランスの植民地だった歴史を持つ。今でも首都ビエンチャンの中心には、パリの凱旋門を模したミニ凱旋門、パトゥーサイがある。この作品は、そうした歴史の中で生きるラオスの女性達の現在の姿を、ラオスの伝統舞踊とヒップホップのテクニックをミックスさせる形で表している。まさに、ポストコロニアリズムを実感させる秀作である。


Postponed(韓国)

振付/SEO JEONG BIN
出演/SEO JEONG BIN

ソ・ジョンビンは昨年の『踊る。秋田』Vol.8で、麿赤兒、石井達朗、山川三太の三人の審査員が全員一致で土方巽記念賞に値すると評したダンサーである。昨年は助成金の使用規定により「コンクール、コンペティション」を正式に開催できなかったために、残念ながら公的に賞を授与することは出来なかった。
そのソ・ジョンビンが新作を持って再び『踊る。秋田』に登場する。彼女の強い身体性、迫力あるイメージ喚起力、そして見事な美しさをご堪能いただきたい。



●プログラムB

Asia Festival Exchange 第2組
2025年2月9日(日)14:00〜開場、15:00〜開演(終演予定)16:10
於/アートボックス卸町


Push and Pull(台湾)

カンパニー名/HUNG DANCE
振付/LAI Hung-chung
出演/LEE Kuan-ling 、LU Ying-chieh

振付家のライ・ハンチャンはHUNG DANCEというダンスカンパニーを主宰すると同時に、台北でStray Bird Dance Platformという国際ダンスフェスティバルも主催し、世界的に活動を展開している振付家である。彼の『Birdy』という作品は、2017年の「土方巽記念賞」国際コンペティションでオーディエンス賞を受賞しているので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれない。今回のデュオ作品も、ライらしい美しい作品である。


Chang-gwi-da!(韓国)

カンパニー名/Choomna Dance Company
振付/Kim Joseph
出演/Lee Seahyun, Moon Mira

タイトルのChang-gwiは虎に殺された後、他の犠牲者に憑りつく悪霊となる幽霊のこと。その美しい姿は、時に恐ろしく、花のように見えて人を襲うように思えるという。
韓国の男寺党<ナムサダン>などの旅芸人が使用する被り物を上手くアレンジして使っているこの作品は、古典芸能とコンテンポラリーダンスを融合させることを得意とするキム・ジョセフならではの美しい作品である。


ANGER(韓国)

カンパニー名/Company Siga
振付/KIM Soyeon
出演/BYEUN Hyelim, LEE Selim, LEE Woobin, Taenyoung

ダンスを観る楽しみの一つは、ダンサーが息を合わせて展開するダイナミックなユニゾンである。しかし、それは諸刃の刃でもある。ダンサー全員がダイナミックに展開するユニゾンは、時にただノリの良さとダンサーのスキルだけが際立ち、作品の核心を見えにくくしてしまうことがある。しかし、シガの作品は全編群舞のユニゾンであるにも関わらず、それが深い核心テーマを浮かび上がらせる。


Simposio(イタリア)

カンパニー名/Compagnia Bellanda
振付/Giovanni Leonarduzzi、Lia ClaudiaLatini
出演/Giovanni Leonarduzzi、Lia ClaudiaLatini

様々な国のフェスに出かけ、そこに登場する男女のデュオを観る度に辟易させられることがある。それはどのデュオ作品も、男と女が別れる、切れる、すれ違うという形でしか展開していかないことだ。そんな時、このデュオ作品を観て驚いた。男と女だと思っていた二人が、いつの間にか雌雄同体、アンドロギュヌスのような両性具有の生き物に変化していくこの作品は、それまでの男女デュオのイメージを完全に覆してしまった。この驚くべき身体性を是非目撃して欲しいと思う。

●ゲスト

麿赤兒
大駱駝艦主宰
(一社)PAL芸術参与

石井達朗
ダンス評論家
(一社)PAL芸術参与

松本修
Mode主宰/演出家
(一社)PAL芸術参与

乗越たかお
ダンス評論家

ナム・ジョンホ(韓国)
韓国国立現代舞踊団
前・芸術監督

イ・ジョンホ(韓国)
SIDance 芸術監督

チャン・グワンリョル(韓国)
IPAP CEO

ユ・ホシク(韓国)
NDA 芸術監督

ダニエル・ユン(香港)
HDX 芸術監督

ステラ・ホー(マカオ)
マカオCDE スプリングボード
芸術監督

アスィリーナ・スィー(シンガポール)
cont・actコンテンポラリーダンスフェスティバル
統括マネージャー



『踊る。秋田』vol.5

石井漠・土方巽記念
国際ダンスフェスティバル『踊る。秋田』Vol.5

2019年9月6日(金)〜9日(日)、11月15日(日)

『踊る。秋田』vol.6

国際ダンスフェスティバル『踊る。秋田』Vol.6

春期特別公演 2021年5月30日(日)


秋田の本公演はコロナ禍によって中止となったため、無観客で映像収録のみを行いました。

●映像収録
2022年1月12日(水)〜同13日(木)
座・高円寺2にて収録


『歯みがき』”dentifrice”



『egg life』



『梅花(メイホワ)』”plum Bossom”



『What’s wrong ?』



『my choice, myh body,』



『F/BRIDGE』

『踊る。秋田』vol.7

国際ダンスフェスティバル『踊る。秋田』Vol.7

2022年11月30日(水)〜12月4日(日)

『踊る。秋田』vol.8

国際ダンスフェスティバル『踊る。秋田』Vol.8

2023年10月27日(金)〜10月29日(日)

ごあいさつ

代表理事ご挨拶


一般社団法人パフォーミングアーツ・ラボラトリー(略称PAL=パル)は、2015年6月に山川三太氏を初代代表理事として設立されました。設立の目的は、この年にスタートする「石井漠・土方巽記念国際ダンスフェスティバル『踊る。秋田』」(以下、『踊る。秋田』)の実質的な運営を担うことでした。
『踊る。秋田』の主催団体は「『踊る。秋田』実行委員会」ですが、実行委に参加しているメンバーは、県や市の文化振興課をはじめ、県内の新聞社、テレビ・ラジオ局、大学、ダンス教室、演劇団体などを代表する方々であり、実質的なフェスティバル運営業務を担うことは出来なかったからです。
そこで当法人は『踊る。秋田』の共催団体として設立されて以来、同フェスの企画立案からカンパニー招聘、制作・運営業務を一手に担って参りました。その間、『踊る。秋田』の事業は年々国際的な評価を得つつ、急速に世界各国のダンスフェスティバルとの繋がりを深めていき、『踊る。秋田』の枠内には収まりきらない事業も加速度的に増えて参りました。
そのため、設立翌年からは早くも独自の主催事業も手がけるようになり、今では秋田市内にアーティストインレジデンス=ArtistinResidence=AIRのための施設として、滞在アーティストの宿舎「AIRHOUSE」、レッスンスタジオ「AIRSTUDIO」、さらにはAIRの成果を発表できる本格的小劇場型アトリエ「アートボックス卸町」も開設し、国際文化交流プログラムの拠点体制を整えるに到りました。
このAIR施設はダンスのみならず演劇や音楽など、文字通りパフォーミングアーツの創造拠点として広く世界に向けて開放されます。石井漠や土方巽を産んだ秋田をパフォーミングアーツの中心として活性化し、世界に開かれた文化の交差点としていくために、これからも一歩ずつ前進していく所存ですので、何卒皆様方のご理解と、温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。

高堂裕(たかどう ゆたか)
株式会社あくら代表取締役社長、秋田市大町商店街振興組合理事長

芸術監督ご挨拶

私が初代代表理事として(一社)PALを立ち上げてから、今年で足かけ10年になりました。その間、(一社)PALは国際ダンスフェスティバル『踊る。秋田』の共催団体として実質的な企画・運営業務を担うばかりでなく、国内外からアーティストを招聘してアーティストインレジデンスやワークショップを行うなど独自の活動も展開してきました。その活動を通じてアーティストの宿泊施設「AIR HOUSE」、レッスンスタジオ「AIR STIDIO」を開設、そして本年10月には秋田初の本格的小劇場型アトリエ「アートボックス 卸町」が誕生します。 今後は国際ダンスフェスティバル『踊る。秋田』だけではなく、広く舞台芸術全般を活動範囲に定め、秋田を世界の文化交差点としていくべく全力で活動を展開していくこととなります。これを期に私は代表理事を辞し、(一社)PALが手がける舞台芸術全般をマネジメントする「芸術監督」の任に専念することとしました。 生まれ変わった(一社)PAL、そして秋田の新たな舞台芸術の時代をリードしていく(一社)PALの活動に皆様の温かいご支援、そして厳しいご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。

『踊る。秋田』芸術監督

1953年、秋田市生まれ。’72年に上京し、演劇センター附属青山杉作記念俳優養成所に入所。’75年卒業と同時に劇団究竟頂(くきょうちょう)<銀色テント>を結成・主宰し、劇作家、演出家、俳優として活動。2015年、『踊る。秋田』実行委員会の依頼により『踊る。秋田』フェスティバル・ディレクターに就任すると同時に、初代代表理事として(一社)PALを創設。
著書に戯曲集『褸骨の指輪』、教養書『文化人類学通になる本』、ノンフィクション『白鳥の湖伝説 小牧正英とバレエの時代』等がある。